動物皮膚病図鑑         2013/11/01日号        通巻54号
                   キーワード  皮膚病 脂漏症候群 アレルギー アトピー 
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   プロフール     

       チワワ 11歳 避妊雌 3.5kg

   8年前に発症し放置していたが去年4月奨められて避妊雌手術をした、その後皮膚病が悪化して近くの

  動物病院で治療を受けていた、4日に1回のシャンプーの指示と抗生剤・アトピカ・プレドニゾロン

   (免疫抑制剤)の投与を3ヵ月間継続したが皮膚病は改善されなかったのでホームページを見て来院した。

  註1.初診で検査をせず、又診断名も告げられず、安易に4日に1回のシャンプーを指示されている。

  註2.正確な診断せずに抗生剤・アトピカ・プレドニゾロン(免疫抑制剤)の投与を続けた。

  註3.原因を考慮せず症状のみにを考え根本治療を考慮せずに通常の治療方法を継続していた。

        以下初診時の写真
  

1 典型的の慢性ハウスダストアトピーの皮膚・被毛の変化。

2        左右対照的に皮膚変化が有りホルモン失調も有る。

3      頸の下の炎症は慢性ハウスダストアトピーの現れ。

  4 頸周辺・腋窩・胸の脱毛炎症は慢性ハウスダストアトピーの特徴

5   頸周辺から胸の脱毛炎症は脂漏と体臭が亢進している。

6        腋窩から前肢内側の変化は治療の指針となる患部。

7        後肢から踵と指背面の炎症・脱毛・脂漏は慢性ハウスダストアトピー

8        四肢の肉球間は発病初期から最後まで舐める動作か残る
慢性的皮膚変化。

 稟告と視診・問診でハウスダストアトピーの慢性放置型と診断が可能。

 提示写真の様に体表が広域に薄毛になり全体各所に脱毛・赤色炎症像が出来ている、体臭は脂肪臭

 脂漏性の脂肪塊(雲脂)を絶えず周囲に飛散している。

 頸下から肘の前面・肢端に至る脂漏性脱毛と脂漏症変化が慢性ハウスダストアトピーの特徴。

 四肢の肉球間の炎症は慢性化して舐めている証拠であるのも慢性ハウスダストアトピーの特徴。

 検査結果 

 血液検査 ALB(蛋白質) 2.9 ALKP(肝機能) 57   ALT(肝機能) 66   GLU(血糖) 100

  CHOL (コレステロール) 74  BUN(腎機能) 15   TRIG(中性脂肪) 38

 ホルモン検査 Corti (副腎皮質ホルモン) 4.44  T3 (甲状腺ホルモン) 0.44 

 T4 (甲状腺ホルモン) 2.12   FT3(甲状腺ホルモン) 1.62     FT4 (甲状腺ホルモン) 0.73 

 診 断

 稟告・現症・検査でアレルギー体質・慢性ハウスダストアトピー・漏症候群・栄養低下・甲状腺低下と診断。

  皮膚病の重さ(グレイド3.7と診断、参考に最高は4.0)で相当重症とした。

  註4.初診時に確定診断が無く、治療法の組み立て不完全。

  5.  検査無しで抗生剤の使用は耐性菌を産生させ治療を難しくている。

  治療

  抗アレルギー剤のコンピュター自動処方 1日3回内服

  コレステロールの低下が有るのでビタミン剤EF Aの1日2回服用

  舌下減感作を1万倍から開始する 慢性脂漏症にはSTSの塗布薬を毎日使用

  放置型の慢性ハウスダストアトピーなので治癒には2-3年の長期間を必要とする。

 指導

  慢性ハウスダストアトピーであるからシャンプーは禁止する、(皮膚が弱いので細菌感染し易い)なるべく舗装した

  繁華街を短時間1日2回散歩し・運動後の足洗の禁止・散歩で草木の場所に入らない

  食餌はドッグフードと人用食事を5:5の割合で朝は牛乳、夜は味噌汁を加え、食餌は1日3回を与える様にする。


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   動物皮膚病図鑑     2014/05/01日号        通巻65号

             キーワード  皮膚病 画像診断の依頼
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         画像診断依頼例 ()  診断依頼 20144月 
 
   
   以下は診断を依頼された写真の中から編集

    A眼瞼周囲に脱毛・炎症が進行しているのはハウスダストアトピーの特徴、アレルギー特にハウスダストアトピーの場合此処に病変が現れば診断が可能ですから直ぐにハウスダストアトピーの治療を開始するのが正当。   B腋窩か前胸の発赤・炎症・脱毛・舐性・掻痒が出現はハウスダストアトピーの診断必要条件て゛これだけでも、直ぐに治療を開始していればこれほど皮膚病は進行しなかったでしょう。
何故 これほど酷い皮膚病に治療を開始
しなかったのでしょうか疑問です。
 
 C下腹部から内股の発赤・舐性・掻痒・フケ・色素沈着・これらはハウスダストアトピーに随伴する特徴的な症状であるから診断は容易である、甲状腺ホルモン(T3)が低下していることが多い。アレルギーの慢性タイプで脂漏
と膿皮症の併発が多くある。
 D腹部側面の脂漏性皮膚の変化で慢性のハウスダストアトピーに良く出現する病徴であるから、これが出たらシャンプーすると細菌感染を悪化して膿皮症が蔓延するのでシャンプーは禁止を厳守すること。
臭くてもシャンプーはいけません。
   E背中から腰の背面は稀毛性脱毛・脂漏性・細菌感染を伴うフケが多い皮膚変化を特徴的な症状で、何れもハウスダストアトピーの慢性的な変化で治療せず放置した結果である。   F体幹・体側に出現する膿皮症で表皮小環と呼ばれるリング状の細菌感染増殖に依るアレルギー・ハウスダストアトピーでシャンプーをすると多数出現する変化でシャンプーをすればするほど増加し悪化する変化。

  G体表の何処でも出現する慢性アレルギー・ハウスダストアトピー・シャンプー過剰に原因する膿皮症でこれだけでも診断が可能ですから今後シャンプーは禁止厳守すべきである
此処まで進行しないうちに治療を開始
  

   H脱毛櫛ですくと脱毛した根元にフケの様な化膿性の脂漏性な細菌感染増殖の証拠であるから,アレルギー・ハウスダストアトピー・膿皮症の混合変化と認める。
    飼い主から診断依頼文からの抜粋

   イ.2012の秋頃に毛か抜けて皮膚が赤くなり、痒がり、雲脂も増えたので動物病院に行ったら

      アレルギーと診断され、放っておけば良いと言われ放置していたら毛も生えてきて自然に治った。

ロ.2013.10(1年後) 腋窩から腹部に掛けて皮膚が赤くなり、脱毛が始まった同時に痒みが増加してくる、

  毛が抜けると同時に毛の根元にフケの様なものがついてくる、その頃から涙が多くなった、

  前回と同様と思い様子を見ていたら、患部は広がり悪化の様子をしてきた。

  ハ.2014年1月 皮膚の様子が悪く成るので同じ動物病院に診察をうけたが、やはり同じアレルギーと

  言われ、ステロイド剤の注射を受け・血液検査無し・顕微鏡検査ではカビではない・内服薬は処方されませんでした。

  そのときの指示は免疫抑制剤があるが高価であり高齢犬には強すぎて早死にするかもと勧められない、又ステロイド剤は

  1週間の痒み止めしかならないのでとのことで前回同様に内服薬は処方されませんでした。

   二.20142 患部は酷く赤くなり・痒みも増加・フケも多く成り・体臭も段々と強くなってきた、

  又動物病院へ行きステロイドの注射を受けたが臭いが更に強くなってくる。

   ホ.20144 あまりにも皮膚病が酷くなりネットを調べて診断を依頼してきた。

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診断 慢性化したアレルギー・ハウスダストアトピー・脂漏性の細菌感染を併発した皮膚病

治療法 抗アレルギー剤 抗生剤 抗脂漏剤 甲状腺ホルモン ビタミン剤等複合の内服薬

    シャンプーの禁止 長期治療を気長に継続すること。

 最初にアレルギーの診断がついた時点からハウスダストアトピーの治療を開始していれば

     この様な慢性化した脂漏と膿皮症には発展していなかったと推察する。
                

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