17  ステロイド中毒症
  
 長期・大量・内服による副作用症例解説



ステロイドとは(プレドニゾロン)の総称抗アレルギ−剤

免疫抑制剤・消炎剤・抗ヒスタミン剤で有名な薬品

薬品は善悪の両方を持っているので
長期間・
適量以上を使うと副作用が起きます


動物も必要最小限の使用で副作用を防止し・ 
病気の程度に依って
体重1kgに何mgと処方


動物は
原則的に錠剤投与は禁忌用法 
短期間 2mg/kg可能ですが常用量は0.13mg/kg以下

治療効果は、それ以上の連用は副作用出現て危険

錠剤は人体用(60kg)で動物(1-15kg)用なので
犬へ錠剤使用は誤使用となり副作用の原因となる


絶対に
ステロイド錠剤の投与は禁止
皮膚科経験の浅い動物病院は錠剤で出すので用心


過剰・過誤投与で来診した症例を以下に記載します  
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          皮膚科専門動物病院  168号 
      ステロイドの中毒症  
医源性慢性アレルギー性皮膚症候群
 
    

ウエスティ 雌 3歳 6.5kg 栄養中

四肢指端・肉球を舐めるので病院の診察を受けアレルギーの診断て゜ステロイド1/2錠を
 
12回の内服・甲状腺剤・抗生剤・抗アレルギー剤・シャンプーの指示を受けていたが

一向に良くならないので紹介で来診した。

   
初 診 時 の 写 真 5 枚

A 首下部分の脱毛・桃紅色炎症が酷く・掻痒性が有り臭気が強かった

B 体側両面が希毛性の脱毛と掻痒性があり、皮膚は桃紅色の炎症が感じられる

C 下腹部・内股は掻痒性・桃紅色炎症・舐性が中位以上

D 会陰から大腿後面に軽度の変化が観られる

E 四肢の指間・肉球間舐性・炎症がありアレルギー体質を示している

      治療開始して6ヵ月後の写真5枚 

F 顔貌・首下の炎症は消失して被毛・光沢は正常化している

G 体側両面・四肢の被毛・光沢は正常化している

H 下腹部・内股の炎症・舐性が消失している

I 会陰・尾の裏面・大腿面も炎症・舐性が消失する

J 四肢・肉球間の炎症・舐性は正常化に復帰して来た

診断 誤診断 ステロイドを長期服用のステロイド中毒症の弊害・副作用

  治療 ステロイドのを適正量に修正し・抗アレルギー剤の併用処方の継続

  経過 修量・適正処方の6ヵ月で桃紅色・掻痒性・舐性消失、被毛正常化する

  指導 しゃんぷー禁止、定期的に血中好酸球検査。

  

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       皮膚科専門動物病院  156号 

ステロイドの中毒症 医源性慢性アレルギー皮膚症候群 
    

5年前に四肢の肉球を舐めるので病院で診察をうけた診断名が無くステロイドの錠剤

抗生剤の投与と
2週間に1回のシャンプーを投薬・指示を受け長年治療をうけていた。

皮膚症状は悪くなるのでで全身の炎症・掻痒・脂漏性脱毛が悪化して来た転医を考え、

ネットで皮膚科の専門病院を探し車で
3時間掛かるが犬の為に当院に診察を求め来診。

      来 診 時 の 写 真 

A 頭部・顔面は炎症性の薄毛の脱毛で口唇は浮腫性に肥厚して熱感を帯び脂漏性の体臭とべとつく感じが強い

B 頬から顎の下にかけて古い炎症跡は肥厚・色素沈着して脱毛する・耳介内面の奥は慢性外耳炎で臭気が強い・アレルギー性の外耳炎

C 前肢・前面・肘から下部に掛けてハウスダストアトピーの皮膚変化が出現しているので診断・確定する・頸下から胸の炎症性脱毛・脂漏性が強い

C 後肢下部より肢先に掛けて浮腫性の硬結性皮膚変化は長期ステロイド使用の副作用が出現した証拠

E 大腿側面の肥厚を来して皮膚が厚みを増して硬い結節群を形成しいるのは長期に渡りステロイドの投与に起因する副作用の結果である、踵から肢端に至る変化は慢性化アレルギーの変化

F 肩から肘関節・肘全面の脱毛・炎症・肥厚・掻痒は何れも慢性化した長期ステロイド使用の副作用でハウスダストアトピーに随伴性の皮膚変化

G 後肢膝の上・下・四肢末端の脱毛・炎症性・結節斑状変化はステロイドの副作用で現れた現象性浮腫が証明している

H 会陰・肛門・踵の浮腫性肥厚は皮下浮腫で長期ステロイド使用の副作用としてムーンフェイスの変形出現である

 診断 ステロイドの中毒症・副作用

 治療 ステロイドの逓減療法 抗アレルギ−剤の複合コンピューター処方を

13回の内服ビタミンAEFの大量内服

予後 ステロイドの副作用を寛解するに長い日数が必要

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      皮膚科専門動物病院  149号 

ステロイドの中毒症  医源性慢性アレルギー性皮膚症候群   
    
 
フレンチブルドッグ 雌 4歳 9kg 栄養 中

1歳時に毛包虫罹患、アレルギー体質言われステロイドを11錠と抗生剤を連用し30日毎に

シャンプー指示を受けてた。
1カ月前から頭部・肩・前肘・腋窩に皮膚が赤く盛り変化が目立

病院で、アレルギー体質言われステロイをと抗生剤の再度処方されたので、転医来診した

  来院・初診時の写真8

A.眼瞼周囲に炎症性の変化と脱毛があり・これはアレルギー体質に良くある変化

B.頭部背面に広い炎症性の皮膚が存在して、皮膚の厚みが増加しているのが感じられるのはステロイド中毒症の前期症状である

C.左肩甲骨周りに発生した脱毛部の肉芽様に隆起した変性皮膚・これは過剰ステロイド中毒症の証拠 D.右腹部に側面に発生した薄毛性の脱毛部の肉芽様に隆起した変性皮膚・これは過剰ステロイドの中毒症の証拠
E.耳の付け根から頸の下に掛けての脱毛部の肉芽様隆起した変性皮膚でアレルギー体質の変化に似ている過剰ステロイドの中毒症状の証拠 F.左腹側下部に発生した点在性潰瘍が多数発生しているステロイド中毒症の初期変化 G肘全面の脱毛部の炎症性の皮膚変化が起きているのはアレルギー性変化に似ている・これはステロイド中毒症の初期変化

H.脇の下の紅色に変化は良くアレルギーの初期に似ている・これは誤診し易い皮膚変化

  治療開始して1カ月後の改善した写真 

I.Aと比較して眼瞼の炎症性が減退して被毛の改善が立証可能

J.Bの頸の被毛改善の変化が良くなり赤みが薄くなり毛色が正常化に移行している

K.C肉芽様に隆起した変性皮膚が広がらずに縮小傾向と炎症性桃紅色が減退してきている

L.Gの炎症性桃紅色範囲が縮小して1/4位に好転している掻爬・舐性は特に減退が目立つ

診断 ステロイド中毒症  (ステロイドの長期・内服) 

治療 ステロイドの逓減療法・皮膚の復元内服処方13回内服

指導 栄養指導 散歩運動指導(交通頻繁な舗装道路・繁華街が適正・裏道公園・草むら禁止)   

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       皮膚科専門動物病院   130号 

       ステロイド中毒症  
   医源性慢性アレルギー性皮膚症候群 

ゴールデン・リトリーバー 雄 4歳 37kg栄養 中

1年前に体に痒みが酷くなり近くの動物病院に診察を受けた、診断名は不明で

ステロイド錠剤を12錠剤を12回と甲状腺剤の処方され、シヤンプーの指示を受け

続けたが改善されず口唇に潰瘍が発生すると同時に背中の皮膚に肥厚性の隆起が発生して

痒みが増加し湿潤してきたので紹介で来診した。

 初 診 時 の 写 真 5 

A 肩から背中に発生している硬結節群の部位の遠景・被毛の粗造・光沢無く・乾燥して体臭あり・皮膚は軽い炎症桃色性に成っている

B 硬結節群の部位のアップで・皮膚の隆起が良く観察される・硬結節群の部位の疼痛は無いが幾分湿潤している

C 胸腹境界部に軽度の硬結節群があり湿潤して痒みがある

D 背中の一部で硬結節群の軽い部分、皮膚の隆起性は軽度であるが掻痒性も軽度であるがステロイドの副現症の証拠

E 口唇部に発生した潰瘍性の副現症的な症状

診断 ステロイド中毒症  (ステロイドの長期内服の副反応)

治療 抗アレルギ−剤のコンピューター処方 13回の内服 ビタミンAEFの内服 ステロイドの暫減量法で副腎の保護・副反応の緩和処方

硬結節群はKPS 11回の塗布 治療に長期間必要

指導   早足で散歩・野菜の多給 シヤンプーは禁止(皮膚バリアの破壊・アレルギー物質・細菌の侵入助長)

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       皮膚科専門動物病院   124号 
   ステロイド中毒症  医源性アレルギー性症候群 
 患犬の病歴

フレンチブルドッグ 去勢雄(3歳時) 13歳 6.8kg 栄養(痩過ぎ)

12年前に皮膚病発生・ドライフードを12回で飼育、近くの病院で

血液検査・皮膚掻爬検査でマラセチア感染症・皮膚細菌感染症との

診断で毎週
1回のシヤンプーの指示を指導され、錠剤(ステロイド)

内服を長年使用、皮膚が益々悪化かしてきた動物病院では治療する

ことは出来ないと・診療を拒否されたので・当院を受診した。

   
 (ステロイドの長期大量内服の副作用全身皮膚変化)

A 慢性アレルギー・ステロイド中毒症による皮膚肥厚潰瘍性の変化は副現象の典型的変化・眼瞼周囲の変化はハウスダストアトピーの使用標準的皮膚症状

B 前肢・四端の腫脹・炎症性脱毛域の拡大・掻痒性・肥厚・何れも長期ステロイド剤の使用による中毒の結果

C 後足・末端の炎症性肥厚・広域脱毛域・舐性が慢性化の特徴で抗生剤効果無し単一ステロイドの投与による弊害の現れ

D 後足・内側・膝関節・指間の脱毛腫脹はシヤンプーによる二次性細菌感染に起因する斑状膿皮症・マラセチア感染症の誤診断過剰シヤンプーの弊害

E 睾丸・大腿後面の脱毛・炎症性・舐性・表皮の肥厚・擬似腫瘍化はステロイド中毒の副作用の現れ

     当院治療開始後2カ月後の写真5枚 (改善)

F ステロイドを経時的に減量投与して正常量に誘導しての皮膚効果が良くし始めいる・抗生剤は使用しない

G 前足指間の炎症が抗アレルギー剤の効果とステロイドの減量調節で快方に向かっている・抗生剤は使用しない

H 後足指間は舐める動作が残っているので炎症性と腫れが残っている・抗生剤は使用しない

I 内股の脱毛斑・炎症の改善が舐める動作で皮膚改善が遅れている・シヤンプーは禁止

J 大腿後面の炎症性は舐め難いので消炎効果が現れている・僅かながら発毛が出現している・抗生剤は使用しない

診断 過去の病歴とステロイド中毒の過量長期内服・シヤンプーの頻度と皮膚変化からして

ステロイドの過量長期内服の中毒・抗ヒスタミン剤の未使用・過度のシヤンプー使用等の

  誤診断・誤治療の重複での皮膚変化症状。

治療 シヤンプーは禁止・ステロイドの正常使用量に改善・抗アレルギ−剤の(コンピューター)

内服・ビタミンAEFの補給等・13回の服用・抗生剤は使用しない

指導 食事の改善(ドライフード1/2・人用食1/2味付け)牛乳・味噌汁等調味量の添加・栄養補給・増加

 散歩後の足洗いせずに拭くのみにする トライシヤンプーは使用可能

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     皮膚科専門動物病院  108号 

   ステロイド中毒症  医源性慢性皮膚症候群 

 
フレンチ ブルドック  10歳  避妊雌  12Kg

3年前にアレルギー性皮膚病が発生してステロイド錠を12回内服指示で受けて

継続し、症状は内服で軽減して来たのでステロイド錠を止めると再発する、

此のくり開始で
3年間飲み続けたが。多飲・多尿・肥満・多食で 

全身性の悪い変化が出てきたので、
HPを見て転医・来診した。
  
来 診・初 診 時 の 写 真 

A来診・初診時の腋窩から前胸・典型的のステロイドの副作用(医原性クッシング病)全面脱毛・隆起性糜爛・
掻痒性・舐性・脂漏臭気・食欲亢進・多飲・多尿
視診的に痛ましい状態。

B来診・初診時のAと同様な皮膚変化が内股に出現するのは此の皮膚病の特徴でステロイドの過量使用に依って発症する

C治療開始後1カ月で皮膚の炎症は
停止して良い方向に転じた、皮膚の糜爛停止・掻痒性低下・僅かに発毛開始・体臭も減少回復開始。

D体側の炎症・糜爛は順次減少して
皮膚は乾燥気味に好転が進み・脱毛は停止・産毛の発生が確認され始めた・体臭は次第に低下を開始してきた。

E治療開始後3カ月で皮膚の炎症は
停止し僅かに炎症部が残存し・糜爛部は乾燥が進み、全体的に
初診Aと比較すると50%ほどに治癒している。

F治療開始後4カ月で臀部から踵・腰にかけての炎症面消失・皮膚の乾燥・掻痒性低下・体調回復して良好な状態を維持してきた。

G頭部の糜爛面の縮小・痂皮形成で
良い方向に進んでいる・炎症面から産毛が生え始めている

H治療開始後6カ月Aと比較すると皮膚の乾燥し・発毛してくる・一部の皮下にカルシュウムが沈着して硬結・隆起が起きている

 診 断

ステロイド中毒症 の作用としての医原性クッシング症候群

皮膚病の掻痒性を押さえるためにステロイドの長期投与反復が原因

ステロイド剤は錠剤での内服は危険がある

市販のステロイド剤は60Kgを標準に作られているので動物用ではない

動物には1Kgに対して0.13mg以上の連続使用は副作用の原因と成る

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