動物皮膚病図鑑  皮膚科 動物病院   2013/01/15日号  通巻36号

 キーワード  皮膚病 ハウスダストアトピー 常同障害  甲状腺機能低下 ビタミン欠乏


  常同 
(問題行動と同義語)(ある種のストレス行動)        

    常同障害とは
自身を傷つけたり、目的も意味もない動作を繰り返すことをいいます。


          
原因    (皮膚の変化を伴う新しい神経障害の合併疾患)

犬の精神障害 (動物の行動学での分類) 異常行動、自傷行動、神経障害で次項目が該当する。

無目的な行動の反復(尾・足・被毛・皮膚)舐める、咬む、毛をむしる、掻く、吠える、走る等。

飼育環境  孤独飼 (飼い主が日中留守である) (人の住居と離れた犬小屋) (制限された飼育環境)

刺激が無い (退屈、不安)(人との接触が無い)(他に動物が居ない) (飼い主とのコミニケーションの不足)

       通常の飼育より制限された飼育環境での長期飼育が誘因となる。

  
2.病態画像
                                 

  アレルギーは軽症であるが
 腹膝腋窩側面の掻痒・舐めるのが顕著
 神経的に絶えず掻いているのが特徴
老齢性の軽度ハウスダストアトピーが原因で
 胸腹側面の被毛を慢性に咬み切る
 老齢孤独な個別の屋外犬舎飼育条件
自己の尾を追って咬む・舐める・異常神経動作
飼い主は日中留守で孤独の為・絶えず
舐める動作の反復で炎症・肥厚する
   肢端舐性皮膚炎
 飼い主は共働きで日中・孤独飼育
  寂しさが原因で舐めて炎症

      肢端舐性皮膚炎
 アトピー性変化軽症・四肢肉球間を
  常時舐めまくり肥厚
炎症  

    3.検査

       血液検査  多くの例で正常に近い数値で、特定の異常は有りません

    ホルモン検査 甲状腺低下(T3)の頻度が高く出ています。(環境刺激の減退)
     
       
去勢・不妊手術等性ホルモンとの関係は現在は証明されていない。

   4.診断   

     患部の特異的の変化 環境の聞き取り調査で異常行動と判断する

     診断名 犬の常同障害

5.治療方針 
         
 精神安定剤 鎮静剤 三環系抗うつ薬 交感神経遮断剤等の複合処方

       環境の修復 人とコミニケーションを深める 玩具を与える

       防舐咬用具の装着      
  飼育指導

         散歩の回数を増やし、飼い主とのコンタクトを深める、人と頻繁に接触を推奨する。

  人と車の煩雑な環境の散歩を頻回にする、 長期療養・看護・環境の改善が大切。

    繁華街の散歩・運動指示 (視・聴神経よりの中枢神経の順化・鼓舞作用が重要条件)

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 動物皮膚病図鑑  皮膚科 動物病院  2013/02/15日号  通巻38号

 キーワード 皮膚病 ハウスダストアトピー 
常同障害 副腎皮質・甲状腺機能低下 ビタミン欠乏

  
1.プロフィール  (常同障害とアレルギー性皮膚病の治療例)

      トイプードル 雌 6歳 3.5kg  栄養 中  

   6年前に発病して、近隣の動物病院で治療を受けていたが四肢指間・肉球間の発赤が酷く

眼      眼の周りの脱毛発赤があり、下腹面に幾つかの痂皮の
形成が認められ、胸腹側の掻痒が激しく

       頻りに果断無く後足で掻いて、その部分の毛が折れるようになり又大斑状に薄くなってきた、
 
       脱毛ではなく裂毛性で薄く感じる皮膚病変面積が拡大するように成ってきたので来診した。



  
2.病態画像 (初診時の写真)
                                 
 常同(神経障害)の特徴
  左腹側面・大腿基部に舐性脱毛
  右側腹面から大腿基部に舐性脱毛は
    常同障害(神経障害)特有徴候
  右側胸腹面の広域な舐性脱毛は
 常同障害(神経障害)特有な診断徴候
   赤線で囲まれている部分が舐性脱毛
 
地肌は舐性による桃紅色に変色している
 
この様な裂毛性限局性変化が多い。
   赤線で囲まれている部分が舐性脱毛
 皮膚被毛を気が狂ったように噛み切る動作を
  常同障害(神経障害)の分類範疇に入る。
 急性・慢性の限局性(限られた範囲)
 皮膚被毛の変化が常同障害(神経障害)
 特徴で軽く見て誤診し易い病徴。
 

    3.検査

   視診検査  写真上段は患部の舐性に依る裂毛性脱毛が顕著であった。赤線で囲まれている部分が病変部
        
         四肢肉球間の炎症・肥厚・舐性も激しく絶えず舐めているとのこと。

         血液検査 ALB(蛋白質)3.4  ALKP(肝機能) 102   ALT(肝機能) 67   GLU(血糖) 89 
  

         CHOL (
コレステロール) 156   BUN(腎機能) 14     TRIG(中性脂肪) 53
 

   ホルモン検査 

        Corti(副腎ホルモン)1.35    T4 (甲状腺ホルモン)1.57     T3 (甲状腺ホルモン)0.47 

            FT4 (
甲状腺ホルモン)0.43     FT3 (甲状腺ホルモン)2.39

                 甲状腺ホルモン低下特にT3の低下と転換酵素不全。
   4.診断   

             基礎疾患は アレルギー体質 ハウスダストアトピー ホルモンバランスの失調 

      甲状腺ホルモン低下と 副腎機能不全 等が基礎疾患群で二時性に皮膚科領域の

         
常同(神経障害)と認識・診断が出来る(複合疾患)


  5.治療方針 
   
ハウスダストアトピーのコンピュター自動処方と痒覚減少・常同害用の複数薬の内服複合処方 

     不足のホルモン補充 
舌下減感作液の開始
(免疫強化療法) 基礎疾患の原因治療

          ビタミンA.E. Fの内服、シャンプー禁止 (皮膚バリア破壊防止目的)

     ハウスダストアトピー免疫強化の舌下減感作療法を1万倍より毎日開始。 
    

飼育指導

            食餌の指導(13回に増やす) 繁華街の散歩・運動後の足洗の禁止 

     シャンプー禁止 犬とのコンタクトを頻繁にする 太らない程度に頻繁におやつを与える。
 
     栄養改善 ドックフード半分、人の食事半分を
1日3回多めに与える(魚・牛乳・味噌汁)。

     運動指示 (視・聴神経よりの神経鼓舞作用・孤独不安の解消)

動物 皮膚病図鑑     2013/3/15日号   通巻40号

キーワード 皮膚病 ハウスダストアトピー 
常同障害  副腎皮質・甲状腺機能低下 ビタミン欠乏


  
1.プロフィール   (常同障害とアレルギー性皮膚病の治療例)

     キャバリア  避妊雌  9歳  6.2Kg  栄養 良

  2年前から昼間は家人が留守の環境となり動物のみの孤独の飼育環境となった、それ以降

  後足の皮膚を絶えず舐める動作をするようになり、去年皮膚が異常に悪くなり近隣の動物病院で

  ステロイドと抗生剤の治療を受けていたが肉球間の発赤と後肢甲部から踵までの頻繁なる舐性による

  地肌の赤味と被毛の劣化と脱毛し、又下腹部に広域の発赤と掻痒が酷く成るので皮膚科専門の
 
  動物病院を知人からの紹介で来診した

      
  
2.病態画像 (初診時の写真)
                                 

 掻痒感覚の激しい動作・過剰な被毛を噛む
 異常行動が過剰なのでエリザベスカラー着装
  顔貌に注意キャバリア特有の可愛い
  表情をが無い、特有な慢性神経徴候
 内服21日後の表情は可愛さが現れていた
 痒覚が顕著であるが、体側にはアレルギー
 特有のの皮膚変化が見られない。

慢性神経徴候で太れない体格が治療後太た
   四肢肉球間は桃紅色に変色して
 ハウスダストアトピーの変化確認 。
 内服開始21日の再診時肉球間の赤みは
 半減し舐める動作が少なくなったと証言。

  皮膚の変化より被毛を噛み切る範囲が
 表皮の広域にあるのが
神経障害の証拠。

 21日後の再診日には皮膚の赤みは薄くなり
  毛が伸びてきたのを飼い主は確認していた。

 下腹面の桃紅色の皮膚変化は舐める動作 の激しさの証拠で常同障害の一症候
 
 内服21日の再診日にお腹の皮膚は白く正常化
 飼い主も驚いていた程に皮膚は改善されていた

    3.検査

      視診検査 

四肢の上表面の裂毛性の脱毛が顕著であるのは常同障害(神経障害・異常行動) 又

四肢肉球間の紅色変化・下腹部の炎症・発赤はアレルギーと常同障害の合併症状と観る、

患犬の体側・頭部・腋窩にはハウスダストアトピーの特有の兆候が見られない。

   血液検査 ALB(蛋白質) 3.0 ALKP(肝機能)  45  ALT(肝機能)  12  GLU(血糖) 86

            
CHOL (
コレステロール) 184
  BUN(腎機能)  6   TRIG (中性脂肪)  37 

 ホルモン検査 Corti(副腎ホルモン) 1.93 T4 (甲状腺ホルモン) 1.53  T3 (甲状腺ホルモン) 0.29 

         FT4 (甲状腺ホルモン) 0.42   FT3 (甲状腺ホルモン) 1.97 
 

         甲状腺ホルモン低下症 特にT3の低下と転換酵素不全

4.診断   

               アレルギー体質 経度のハウスダストアトピー ホルモンバランスの失調 

       甲状腺ホルモン低下と 副腎機能不全等が基礎疾患群で二時性に皮膚科領域の

      
常同障害(神経障害)と認識・診断が出来る(複合疾患)

  常同障害とは (此の症例では・昼間家人が留守で精神的に不安定となり常時一定の

          部位を頻りに舐め障(
)害を起こす異常行動を指しています)

5.治療方針   

     ハウスダストアトピーのコンピュター自動処方の内服薬1日3回服用で痒覚減少・
 
     常同傷害用の複数薬を複合処方等で基礎疾患と付随発症原因の治療処方。
 

         不足のホルモン補充 
ビタミン A.E. Fの内服、 
 

     ハウスダストアトピー免疫強化の舌下減感作療法を1万倍より毎日開始。

     
シャンプー禁止 (皮膚バリア破壊防止目的)  皮膚が改善・治癒宣言まで

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**** 治療経過   内服開始後21日目の再診日には常同障害の症状(皮膚と被毛を噛む・舐める)が軽減して、抗神経薬の効果が
                      発現して異常行動が鎮静したので皮膚・被毛・生活環境の動作が改善されて、下腹部の紅色炎症・舐性は正常・
                      四肢表皮紅色が減退し・毛の伸長が確認された、と同時に四肢肉球間の炎症が低下して白くなって来た。
                      此等は抗アレルギー剤と抗常同障害薬の組み合わせ処方が適切であった証拠と考えられる。

                   ---------------------------------------------------------------

 飼育指導  食餌の指導(13回に増やす) 繁華街の散歩・運動後の足洗の禁止 
   シャンプー禁止 犬とのコンタクトを頻繁にする 太らない程度に頻繁におやつを与える。
    栄養改善 ドックフード半分、人の食事半分を1日3回多めに与える(魚・牛乳・味噌汁)

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 動物皮膚病図鑑       2013/07/15日号     通巻48号

 キーワード  アレルギー ハウスダストアトピー 常同障害 脱毛 炎症 色素沈着
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1.プロフィール  
                   芝犬   2歳    避妊雌    栄養 普通

   病歴

 A. 10ヵ月前に四肢指間・肉球間を頻りに舐め始めたので近医で診察を受けた、食餌性アレルギーだろうとの
   診断で血液検査を受けた
(高価な免疫IgE検査)多くの食餌・植物・その他の反応が陽性に出た。
       
(注釈・免疫IgE検査でハウスダストを見逃していたので診断不適切)

 B. 治療はアレルギー除去食を勧められて高価な輸入フードを買い、内服薬は抗生剤・抗ヒスタミン・ステロイドの
   注射を毎週1回3ヵ月間継続治療し、毎週シャンプーをしていたが効き目が無く、他のフードに変更したが
   それでも効果が無かったので。     
(注釈・除去食フードを変えても非食餌性ハウスダストには無効)

 C. 再度転医し同じ治療にスキンコンディショナー液指示され使用したが良くならず悪化が進むので諦めて当院を受診する。
               
(注釈・スキンコンィショナー液では原因療法には成らない)

                 
  
2.病態画像      (初診時の写真)



  眼瞼周囲の炎症
 

 肘関節下部の炎症


前胸部の脱毛炎症


    下腹部赤く炎症

   内股の脱毛炎症

前足側面舐性炎症

前肢外側の脱毛炎症 

後肢前面舐性脱毛

  3.検査       

   視診検査

  眼瞼周囲と口唇の炎症脱毛・掻痒、四肢側面も脱毛・炎症があり、下腹面は紅色に炎症を示していた、
  此だけでも非食餌性ハウスダストアトピーと診断の予想が十分可能な条件である。

  血液検査 ALB(蛋白質) 3.1   ALKP(肝機能) 72    ALT(肝機能) 20      GLU(血糖) 100 
          
CHOL (
コレステロール) 158     BUN(腎機能) 10        TRIG(中性脂肪) 61

  ホルモン検査 Corti (副腎皮質ホルモン) 1.82  T3 (甲状腺ホルモン) 0.35  T4 (甲状腺ホルモン) 1.72 
             
FT3(
甲状腺ホルモン) 1.96    FT4 (甲状腺ホルモン) 0.55

  皮膚掻破検査 外部寄生虫・真菌・何れも陰性


  4.診断    
         非食餌性ハウスダストアトピー 甲状腺機能低下 甲状腺転換酵素不全

     不妊手術によるホルモンのバランスの失調、 軽度の常同傷害(四肢の舐性)

治療方針
    
ハウスダストアトピーにコンピュター自動処方(グレイド3.45)と軽度の常同傷害用処方を 1日3回内服 
      ビタミン剤 
A    EFの内服 
       急速舌下減感作療法開始(濃度を毎週上げる) 

     注意事項

      シャンプー禁止 散歩・運動は1日2回・舗装した道路、繁華街、人車の頻繁な道を選んで散歩する繁華街を
    
30-40分する、散歩後は足を水洗せずに拭くだけとする、シャンプーすると悪化かするので当分禁止。
    
食餌はドッグフードと人用食料を5:5の割合で朝は牛乳、夜は味噌汁を加え、食餌は1日3回を与える。

      
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