内分泌(ホルモン)不全性皮膚病
                通常ホルモン失調症と呼称 

    
ホルモン不全(脳下垂体・卵巣・睾丸・副腎・甲状腺・副甲状腺・胸腺の欠乏・過剰生産・分泌)
          皮膚病の多くはホルモン失調が関係している事が立証されている
          例えば  去勢・不妊手術で性ホルモンの脱落・更年期障害
          脳下垂体前葉成長ホルモンの失調は 小人症・偽クッシング症候群
          副腎皮質ホルモンの失調はクッシング症候群・アジソン病・好酸球性皮膚病
          甲状腺ホルモン失調・甲状腺ホルモン低下症・バセドウ氏病
          副甲状腺ホルモン失調・上皮小体機能亢進症
           などの多種多様に相互に干渉して発症する

           それらに関与しての皮膚病例を以下に解説します
            老齢性黄体腫性脱毛症                   2016/03/01日        通巻111号
            老齢性黄体腫性脱毛症                   2015/09/15日      通巻101号
           (不妊術後のホルモン不全) 甲状腺機能不全     2012/02/25日      通巻5号
        去勢によるホルモン失調性           2012/05/15日       通巻13号
       
小人症 成長ホルモン失調(下垂体)          2012/06/05日       通巻15号
         不妊手術後 ホルモン失調症              2012/09/05日       通巻24号
         去勢後 雌性化症候群                 2012/10/15日       通巻28号 
         遺残黄体ホルモン不全                  2012/10/25日   
    通巻29号
          雄性ホルモン不全(雌性化症候群)     2012/11/15日     通巻31号

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   動物皮膚病図鑑  皮膚科動物病院  2016/03/01日 通巻111号

   キーワード 
老齢性黄体腫性脱毛症
       チイワワ 未経産雌 10歳 3.2kg栄養良+ 発情周期不定

  2歳時に皮膚の変化と掻痒・舐性が有り2軒の動物病院の診察を受けたが治療効果がなく、ホームページで

  皮膚科専門の動物病院を知り来院した。

   診断はアレルギー・ハウスダストアトピーでコンピューター処方と舌下減感作療法で皮膚の変化は好転して

  良好出あったが、前回の発情が異常に長く又偽妊娠を継続し外陰部が縮小せず発情時の大きさを維持していた、

  その後体全体の被毛が薄くなり全身性と局所性に脱毛が目立って来たので再度来診した。

           再 来 診 断 写 真 5 枚

A 胸腹側から大腿側面の広範囲の脱毛域が発生し、四肢側面は薄毛状の脱毛が有る、正常毛の光沢は劣化せず体臭はヤヤ脂漏性が有る B 腹側面が広域脱毛して大腿側面も大きく脱毛斑を形成している、此処で両側性の脱毛変化はホルモン性が起因としての症状の証拠 C 頸背中の広域背面の脱毛性は両側性に成っているのが特徴・脱毛部の皮膚は赤銅色に薄い色素沈着を起こし、やや脂漏性の臭気を感じる D 前胸・下腹・内股皮膚の脱毛は黄体・副腎が原因性を示唆しているので原因療法の目安を暗示している E 肛門周囲から大腿後面と尾裏面にまたがる完全脱毛域は性ホルモンが支配している領域皮膚であり、外陰部の縮小が不完全は黄体ホルモンが起因


                   治 療 開 始 後 5 カ 月 目 の 写 真

F 黄体摘出手術後は徐々に発毛を開始して体臭がなくなり被毛発生頻度が良好となり密度の濃い被毛となってきた G 体側の被毛は順次回復して正常に近似してくるのは、以下に黄体ホルモンが被毛に影響を左右しているかの裏付けとなる H 背中全域の発毛域は80%程正常に復帰しているのは、以下に黄体ホルモンの影響があるかとの証拠 I 腋窩・前胸・下腹・内股エリアの皮膚は正常に近く発毛も順調に進んでいる様になり手術の目的が正当の証明 J 肛門周囲から大腿後面と尾裏面の発毛が順調で観られる様になってきているのは此の領域がホルモン支配を受けているかの裏付けと成っている

  検査   一般血液検査のみで良い・黄体ホルモン検査はデータとしては有れば良い程度。

    診断 年齢 発情異常 偽妊娠 ホルモン性脱毛 軽度の脂漏性以上の問診・視診などで   老齢性黄体ホルモン性脱毛症

    治療 外科的に卵巣摘出手術で機能性黄体除去

         手術後・発毛促進剤の内服処方を継続、ビタミンA・E内服

    指導 シヤンプー禁止・散歩は草叢禁止・舗装道路を10分以上


                                                                      Topページに戻る
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 動物皮膚病図鑑  皮膚科  動物病院    2015/09/15日  通巻101号

     キーワード 皮膚病 全身性の大小脱毛 雌 老齢 飼育環境良

                     老齢性黄体腫性脱毛症(黄体ホルモン過剰症)

   プロフィール
          チイワワ  雌 10歳 3.2kg

稟告 元疾患はアレルギー体質でハウスダストアトピーを罹患していた、ハウスダストアトピーは舌下減感作療法と
    コンピューター処方で治療経過中で少好常態を維持していた。

   201483日来診して広域の脱毛域が肩と胸の下方域に発生したと来診(写真A--E )

 2014.9(写真F--J)脱毛域の数の増加と拡大この時点で雌性器の拡大化顕著があり
   老齢性黄体腫性脱毛症
(黄体ホルモン過剰症)の疑いを説明。

  2014113回目・診察3カ月後(写真K--O)で脱毛域は全身性となり完全に老齢性黄体腫性脱毛症
   
(黄体ホルモン過剰症)と診断し卵巣摘出手術を薦める。

 
 2015.54回目・卵巣摘出手術後診察3カ月(写真P--U)脱毛域の拡大停止・皮膚の炎症性の低下と産毛が発生する。

 2015.65回目・手術後診察4カ月後(写真V--Z)脱毛域の初毛開始して被毛が増えてきた見た目にも効果が立証された。

A 初 20143 右体側肩に脱毛域か発生しているが顕著な掻痒性は無かった  B 左肩上部に非炎症性の斑状脱毛域があり他には異常が見られない

C 左肩上部非炎症性の斑状脱毛域の拡大で薄く炎症性が観られる

D 顎下・頸・前胸・腋窩の広域性の脱毛域拡大化 E 外陰部から大腿後面にかけての希毛性脱毛がある
F 2回目20146 3カ月後 前回と比較すると脱毛域が全身性と成って四肢にも拡大する G 3カ月後 左右対称性に脱毛域の拡大発生が顕著に見える H 3カ月後 脱毛域の桃色炎症性が軽度であるが全域に発生している I 3カ月後 下腹・内股・踵に至る内面の脱毛性炎症・特に発情に関係なく外陰部か肥大している J 3カ月後 肛門周囲・尾の裏側・大腿後面軽度の炎症性脱毛が特徴
K 3回目201411 体側と四肢側面広範囲の脱毛は全身の80%に及んでいる

L 左右対称性に脱毛域が拡大している、皮膚表面は軽度の脂漏乾燥性

M頸・肩・上腕・胸側の広域脱毛が顕著に現れている N下腹面は広域な脱毛域を形成して、臭気は強くないが感じられる O 大腿後面の脱毛域は炎症性が少ない尾の付け根から背面に掛けて同じ変化
P 4回目20153 卵巣黄体腫摘出手術後1カ月で脱毛部位に産毛が発生する Q 四肢体側面の脱毛域には皮膚の炎症性が消えて良くなっている

R 背中全面の脱毛域は皮膚の色が改善され初めている

S 胸から下腹部・内股にかけて炎症が消退を開始している T 大腿後面の脱毛域から背中に掛けて・外陰部か肥大が縮小開始する
U 5回目20156 卵巣黄体腫摘出手術後3カ月全身性に発毛が良好 V 四肢・体側の発毛は順調に推移して術前と比較すると極めて良好 W 背中の被毛発生・伸長は特に良くなっている X 胸・下腹部の毛も良く発生と伸びが良好で喜ばれた Y 尾根・肛門周囲・大腿後面・踵に至る被毛の発生は復元とている

  
   診断   卵巣黄体腫性脱毛症 (加齢(8-9)に依るホルモン異常)      


摘出した卵巣の腫瘍性黄体・黄体ホルモンの過剰生産・分泌

  原因   良好な飼育環境・過保護的な条件が発症誘引となる。

    治療   卵巣黄体腫摘出手術 条件が良けれはこれだけで治癒する

        随伴疾患があれば平行治療を行う

  予後   原因除去で再発症はない・随伴疾患と関係は薄い。

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 動物皮膚病図鑑  皮膚科  動物病院    2012/02/25日 通巻5号
 キーワード 皮膚病 医源性皮膚病 (不妊術後のホルモン不全) 甲状腺機能不全

1.患犬の病歴 
              
  チィワワ 6歳 避妊雌 2.1kg   

 2ヵ月前から稀毛性脱毛に気づき 近くの動物病院でステロイド剤、抗生剤の連用と
 シャンプーの治療を受けていたが 症状好転せず 次第に悪化するので転医 来
。   
2.診察時の画像

初診時の左頭頂域の脱毛と掻痒性

頭頂域の稀毛性脱毛

 腹側面・大腿外側の広域性
小班性の脱毛班が複数発生掻痒性がある
下腹部に色素沈着の大班は甲状腺不全を疑う 尾腺を中心に広域の脱毛と炎症性色素異常


3.検査 
 視診検査    栄養中 ・ 被毛乾燥し光沢無し ・頭頂部の炎症性脱毛掻痒性が強い
          尾腺を中心に広域性脱毛・ 腰背部の小班
性脱と毛掻痒性が強い

 皮膚の寄生虫検査   毛包虫 ・ 疥癬陰性

 一般血液検査  ALB(蛋白質)3.1  ALKP(肝機能) 37   ALT(肝機能) 102   GLU(血糖) 100
           CHOL (コレステロール) 142   BUN(腎機能) 14.4

 ホルモン検査   Colti(副腎皮質ホルモン) 2.1μg/dl   T4(甲状腺ホルモン) 4.01μg/dl   
                 T3(甲状腺ホルモン)  0.51ng/dl


4.診断  内分泌性脱毛(不妊手術による卵巣ホルモン欠如と二次性甲状腺ホルモン不全(T3))

5.治療方針     皮膚改善剤の内服 ・ 
(アレルギー・コンピュター自動処方)
            女性ホルモンと甲状腺ホルモン剤の補給

6.注意事項 ステロイド剤の投与中止 ・繁華街の散歩・視覚刺激環境飼育を指導。

  動物皮膚病図鑑   皮膚科 動物病院   2012/05/15日号   通巻13号

キーワード 皮膚病 アレルギー 去勢 (ホルモン失調) ステロイド剤 抗生剤 膿皮症


1.患犬の病歴   トイプードル 去勢雄  3   8kg   栄養普通   
   
プロフィール 

      3年前の夏から四肢端と口唇に掻痒・発赤・舐性で近医を受診しアトピーとの診断でステロイド剤と抗生剤の
    投与を継続していたが
、腋窩・下腹・内股の炎症・色素沈着が悪化し、四肢肉間を頻りに舐める、
    更に腰背面の全体が薄毛になり、地肌が暗赤色と変化して全体的に悪く成ってきたので当
皮膚科を受診する。

2.診察時の画像  (下の画像は当皮膚科を受診時の皮膚変化) 

 初診時の全身性に皮膚面桃色化

両側の腋窩が炎症性の病変

 下腹部の炎症で痒がる
 下腹部に大型赤色大班性病変
耳介内面のアレルギー病変    四肢肉球間赤色湿潤性病変

  3.検査 
   
血液検査 ALB(蛋白質)3.5  ALKP(肝機能) 68  ALT(肝機能) 24
        GLU(血糖) 113  CHOL(コレステロール)220  BUN(腎機能) 11   

     
       
ホルモン検査 Corti (副腎皮質ホルモン)1.20↓   T3 (甲状腺ホルモン) 0.49↓
               T4 (甲状腺ホルモン)3.57  FT3(甲状腺ホルモン) FT3 2.23
                FT4 (甲状腺ホルモン)0.79↓

               
       寄生虫検査  毛包虫  疥癬  ダニ  何れも陰性

 4.診断  去勢によるホルモン失調性(男性ホルモンの欠如)、(副腎皮質ホルモンの低下)
       (甲状腺ホルモンの低下)・以上に随伴するアレルギー性皮膚炎。

 5.治療方針 検査結果による抗アレルギー剤、(アレルギー・コンピュター自動処方)

         男性ホルモン剤・甲状腺剤・副腎皮質ホルモン・補欠ビタミン剤の補充、
         舌下減感作液の毎日投与、下腹・内股の色素沈着にはISKを毎日塗布、
         外耳炎アレルギーは内服効果が出てから治療を開始する、四肢肉球間の炎症は
         アレルギー性が有るので舌下減感作液の効果が出るまでKP軟膏の塗布、
         シャンプーは当分禁止の厳守を指導

6.注意事項 症状好転するまで内服薬は1日3回分服する事。

         シャンプー禁止・散歩後の四肢・肉球間の水洗い禁止の厳守

 動物皮膚病図鑑   皮膚科 動物病院   2012/06/05日号   通巻15号

 キーワード 皮膚病 先天性 小人症 成長ホルモン失調(下垂体) シャンプー 

1.患犬の病歴   

          ジャマンシェパード 不妊雌 7歳 13kg (正常体重の半分)   栄養中  
   
プロフィール 

      甲状腺機能低下(別記)があり、生後7ヶ月から甲状腺剤(ソレキシン)を現在まで内服している、

    脱毛の範囲が尾から背面にかけて広域に拡大している。
2歳半以降 脱毛は顔を除いて全身性に広がり、

    湿疹、膿皮症が併発して
生後5ヶ月で尾の脱毛が始まり、同6ヶ月で血液検査をした(別記)、現在も断続的に

    皮膚炎は継続している。
週2回のシャンプーを指導され毎日サプリメントのビタミン剤を飲ませ

    痒みの酷い患部にビクタスS MTクリームとドルバロンを塗布している。

    前医の診断は 下垂体性小体症 甲状腺機能低下症 であった。

       インターネツトで動物病院に皮膚科があるのを知り当院の画像診断・相談に至った。


2.相談時の画像  (下の画像は当皮膚科へ相談時の皮膚変化) 

 初診時 全体的に小型化している

背面広域炎症性脱毛・小班色素班

 頬の部分での炎症発赤で痒がる
顎下部に大班性掻痒発赤性病変
下腹部から内股にかけて広域病変    四肢肉球間の炎症性変化

  3.検査 以下は地元の動物病院の結果
   
血液検査 ALB(蛋白質)3.4  ALKP(肝機能) 68   ALT(肝機能) 29   GLU(血糖) 91
         CHOL (コレステロール) 101   BUN(腎機能) 19   TRIG(中性脂肪)82

     ホルモン検査  T4 (甲状腺ホルモン)1.1    FT4 (甲状腺ホルモン)3.5↑↑   

   4.診断 当皮膚科の稟告と画像での診断は
 
       下垂体性小体症に随伴する アレルギー
(ハウスダストアトピー)副腎ホルモン低下症

       甲状腺機能低下症 膿皮症の混合皮膚炎。

   5.治療方針  下垂体性小体症は年齢が7歳なので骨端線が既に閉鎖しているので治療の時期は過ぎて

        いるので治療の対象には成らない
(少なくとも生後1年以内に治療を開始しければ治療は無効)

            因って皮膚炎に関しては治療の対象になり得るが皮膚炎はアレルギー(ハウスダストアトピー)
 

        副腎低下症 甲状腺機能低下症 膿皮症に対する総合的治療法をすべきである。

            シャンプーはするだけ膿皮症を悪化かさせるので禁止が適用。

        飼い主は年齢と今まで相当治療費を掛けているとのことで新規治療はしない、

         よって今後は経過観察との結論であった。

   
参考事項
        
多くの臨床例で下垂体性小体症が発症する主原因は近親繁殖(3-4親等以内に同一血統が存在)の弊害
   
       祖父母又は玄祖父母の血筋が重複していることが血統証で確認されている


          これらは
(遺伝子重複による悪性の弊害と昔から言い伝えられている)

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  動物皮膚病図鑑   皮膚科 動物病院   2012/09/05日号   通巻24号

 キーワード 皮膚病 不妊手術後 ホルモン失調症 ハウスダストアトピー 舌下減感作療法

  1.患犬の病歴
      プロフィール      

     ヨークシヤテリア 避妊雌 11歳 3.4kg 栄養 (−2)  

     体全体の被毛が薄くなり脱毛が始まり動物病院で診察を受け

     診断不明で、治療はビタミンE錠 ニチファゲン錠 抗生剤の投与をうけ

     シャンプーは週1回の指導で治療を続けてきたが、経過が良く成らず脱毛と

     薄毛が進行してきたし、体臭もするようになり素人観察でも悪化かしている

     ように思え、当院のホームページを見て来診した。

   2.初診時の画像  (下の画像1−6は当皮膚科へ来診時の皮膚変化) 

 腹側大斑状稀毛性脱毛  全身性稀毛性脱毛・脂漏臭
  脇の下・前胸の広域脱毛
 内股・下腹部炎症性脱毛
  肩から背中稀毛性脱毛  腰から大腿外側稀毛性脱毛

    3.検査 
     
血液検査 ALB(蛋白質)3.6  ALKP(肝機能) 98 ALT(肝機能) 48 GLU(血糖) 82

     CHOL (コレステロール) 204 BUN(腎機能) 44 TRIG(中性脂肪)98

                好酸球 65↓↓ 

         皮膚寄生虫検査 毛包虫 疥癬虫 ダニ 何れも陰性

   4.診断   老齢性アレルギー(ハウスダストアトピー)による稀毛症

     5.治療方針  ハウスダストアトピーのコンピュター自動処方

                  舌下減感作療法 1万倍から開始

                  亜鉛 卵巣ホルモンの補充(避妊雌) ビタミン剤 A EFの補給

         飼育指導   腎機能低下が有るので低塩分食餌、ドライフードと人の食事の半々で

         味付けは普通にする、食餌は1日3回与える。 

         シャンプー禁止 散歩・運動後の足洗の禁止

         トリーミング後のシャンプー禁止  (ドライシャンプーの推薦) 

                                                       

  動物皮膚病図鑑   皮膚科 動物病院   2012/10/15日号   通巻28号

 キーワード 皮膚病 去勢後 雌性化症候群 乳頭肥大 脱毛 皮膚炎 ハウスダストアトピー

  1.患犬の病歴
      プロフィール
      
フレンチブルドック 去勢雄 3歳 8kg 栄養 下  

       1年前に皮膚の変化に気づき近くの動物病院で診察を受け、注射・ステロイド・抗生剤の内服を

       続けたが良く成らず、皮膚の炎症が進み赤みも増してきて油臭くなり皮膚の変化が全身的に広がり、

       知人に皮膚専門の動物病院を教えられて
当院を受診した。

    2.初診時の画像  (下の画像は当皮膚科へ来診時の皮膚変化)
                                 

 雄らしい顔貌が無い   慢性の皮膚炎症候
 雄なのに乳頭肥大が特徴
  乳頭肥大包皮縮小が特徴
   慢性脂漏症皮膚炎が有る    ホルモンの不均衡

    3.検査 
    
血液検査 ALB(蛋白質)3.3  ALKP(肝機能) 62 ALT(肝機能) 11 GLU(血糖) 106

          CHOL (コレステロール) 162 BUN(腎機能) 17 TRIG(中性脂肪)52

   ホルモン検査 Corti (副腎皮質ホルモン)4.02   T3 (甲状腺ホルモン) 0.35

          T4 (甲状腺ホルモン)4.02 FT3(甲状腺ホルモン)2.64  FT4 (甲状腺ホルモン)0.52
 

        細菌感受性試験  セファレキシン・アンピシリン・オフロキサンに強い対性菌

        皮膚寄生虫検査 毛包虫 疥癬虫 ダニ 何れも陰性

    
4.診断   

              発症原因は 雌性化症候群・(男性ホルモンの低下 逆に女性ホルモンの増加)

       
 (去勢による雄性ホルモンの人工的な欠除に基因する異所性雌性ホルモンの生産が発症源因となる)

             去勢は不自然で人工的に更年期傷害を引き起こしますから 無闇に去勢をしないでください

               以上の症例が去勢による 更年期傷害副作用で発病した例です

           随伴原因は ハウスダストアトピー・(四肢肉球間赤色舐性炎症) 


     5.治療方針  

                男性ホルモンの注射(来診事)・内服は1日3回に分服(朝・午後・就寝前)

          舌下減感作 1日2回に舌下に滴下 (朝・午後)

        ハウスダストアトピーのコンピュター自動処方 1日3回に分服

          脂漏症皮膚炎には消炎・収斂剤の ISK を毎日塗布

        飼育指導   シャンプー禁止、散歩運動から帰ってから足を洗わずに拭くだけとする 
                                          

  動物皮膚病図鑑   皮膚科 動物病院   2012/10/25日号   通巻29号

 キーワード
 皮膚病 脱毛 遺残黄体ホルモン不全 発情 ホルモン性皮膚病 疑妊娠 

1.患犬の病歴
      プロフィール     

           秋田犬  雌   26kg   5歳   栄養 中

               1年前から発情期間が長引き発情後偽妊娠の兆候が顕著に有り、乳腺の肥大と

           泌乳があつた、今回の発情後も同様の症候群を提示していた。体側の脱毛斑

           多数見られるので近くの動物病院で診察を受けたが診断不詳で脱毛が更に多くなり

           心配で皮膚科専門の動物病院が在ると聞いて来診した。
       

     2.初診時の画像  (下の1列目の画像は当皮膚科へ来診時、2列目は治療後の皮膚画像)
                                 

 体側に不整斑状の脱毛斑多数   腹腰背面の脱毛色素沈着が著明
 頭部には脱毛斑が見られない
 ホルモン治療後の被毛回復
 腹腰背面の脱毛・色素沈着が回復する   ホルモン治療後被毛光沢回復

    3.検査 
      
   問診・視診のみで診断が可能なので血液検査・ホルモン検査は不必要で実施せず

         皮膚寄生虫検査 毛包虫 疥癬虫 ダニ 何れも陰性 唯 外寄生虫確認の為

    
4.診断   
               黄体腫性皮膚炎 (別名 発情後皮膚炎・卵巣機能亢進性皮膚炎)

         過剰な保護飼育による心理的ホルモンのアンバランスが基因

              
     5.治療方針  

               拮抗性性ホルモン (テストステロン)の投与

        フマル酸クレマスチン   硫酸亜鉛 甲状腺剤 沃素 抗プラスミン剤 複合ビタミン A  E F 

          数種類の薬剤を調合して、1日3回に分服(朝・午後・就寝前)

         黄体ホルモン過剰性慢性皮膚病につき個体差により継続の加療必要が有り
  
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   動物皮膚病図鑑       2012/11/15日号   通巻31号
       
        
キーワード  犬 皮膚病 雄性ホルモン不全 雌性化症候群 脂漏性 甲状腺機能低下 ビタミン欠乏


  
1.プロフィール  

      フレンチブルドック 雄 4歳 栄養 中の下

   2年前に発病する、近所の動物病院で2週1回のステロイドの注射3ヵ月間と

   ノルバサン−シャンプーを週2回、抗生剤、痒み止め、
胃腸薬の内服を継続使用していた。

   治療継続したが一向に良く成らず、体臭が油臭く悪化して粉状の脂漏塊が全身から飛散 

   するようになり、皮膚は肥厚して波打ち皺壁性に増加するのでたまらず転医・来院した。


  
2.病態画像      (初診時写真)
                                 

全身脂漏性・背骨は突出し栄養低下  皮膚肥厚過度で皺壁性
体下面炎症脂漏分泌過度体臭最悪 
全乳頭肥大し雌性化症候の特徴
四肢前面炎症脂漏性ふけ 各肉球間炎症はアレルギー変化

    3.検査

    視診検査 

   慢性脂漏の症状 乳頭の肥大は雌性化症候群 栄養バランスの低下

   体下面は皮膚肥厚過度で炎症と脂漏で波打つ皺壁性となり慢性脂漏 


      四肢の肉球間は舐性の炎症で赤くなり、指間も同様に桃色舐性変化がある。

   
背中に過剰なシャンプーの副作用で細菌感染の痂皮(膿皮症)の散発あり

  血液検査 

    ALB(蛋白質) 3.2  ALKP(肝機能) 52  ALT(肝機能) 37  GLU(血糖) 100 

    CHOL (
コレステロール) 99↓  BUN(腎機能) 17   TRIG(中性脂肪) 38

   ホルモン検査 

     Corti (副腎皮質ホルモン) 3.08   T3 (甲状腺ホルモン)  0.44↓↓ 

     T4 (甲状腺ホルモン)0.46   FT3(
甲状腺ホルモン)2.10   FT4 (甲状腺ホルモン) 0.46

  皮膚掻破検査 外部寄生虫何れも陰性


   4.診断   

             ハウスダストアトピーの慢性化症状 (アレルギー)

      雌性化症候群
(男性ホルモンの低下と女性ホルモンの分泌亢進
)

      脂漏症の慢性化症状、軽度の膿皮症。

 5.治療方針
     
コンピュター自動処方のグレイド3.9 (最高は4.0)を処方指定

     雌性化症候群には男性ホルモンと甲状腺ホルモンの増量処方

       脂漏症にはISK(当院特別処方)外用塗布を11、ビタミンA E剤の内服

  アレルギーには個別急速舌下減感作療法を100万倍から12を開始する。

   飼育指導

      13回の食餌はフード半分・味付した人の食物半分を1:1:1.5の割合で与え肥らせる、

    散歩は
1日2回20分位舗装した人車の繁華街・帰宅後は足を洗わずに拭くだけとする。

    脂漏症のISK外用塗布を11回散歩の前に塗布すること。

    
細菌感染(膿皮症)が有るのでシャンプー禁止。

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